セミアクティブRFIDについて
目次
RFタグの種類と特徴
RFID(Radio Frequency Identification、無線周波数識別)は、電波を利用して物体や人を識別・追跡する技術です。バーコードや磁気カードに代わる技術として広く普及しており、在庫管理、物流、交通、医療、セキュリティなど様々な分野で利用されています。
パッシブタグ、アクティブタグ、セミアクティブタグの三種類に分類され、それぞれの主な特徴は以下の通りです。
マトリックスは「セミアクティブRFIDシステム」を開発したメーカーで、「POWERTAG」といいます。
セミアクティブタグの特徴
特徴1
LFトリガー磁界の中でのみ起動して電波を発信します。通常時は休止しているので、常時発信のアクティブタグより電池が長持ちします。
特徴2
LFトリガー磁界に、場所情報となるエリアID(トリガーID)を設定します。 タグは、認識したエリアIDと自身のタグIDを発信します。エリアIDがあることで位置情報の精度が高く、誤認識がありません。 また、受信データを時系列に処理することで進行方向がわかるので、入退管理に利用できます。
セミアクティブRFIDシステム「POWERTAG」の基本技術で、特定のエリア(トリガー磁界)を通過したことを認識する仕組みです。 複数同時受信はもちろん、高速移動体認識に長けています。精確なタイムが求められるレースタイム自動計測において、国内シェアNo.1の実績を誇ります。
トリガー磁界にエリアIDを付与することで、受信場所を判別する仕組みです。 複数の人やモノの「出入り・動態」をリアルタイムに認識することができます。 広範囲のエリアをカバーできるので、大量の人やモノの出入りが多い場面で活用されています。
高感度タイプのタグは受信感度が高いので、小さなトリガーコイルでも十分な検知エリアになります。 広範囲の検知を必要としない場面において、シンプルな機器構成で運用できます。
警備員の巡回記録
製造工程(作業時間)管理
認知症患者の無断外出・離院検知
フォークリフトの事故防止対策(衝突、挟まれ)
トリガー磁界をデジタル化し、タグ反応エリアを制限する新技術です。 2つのトリガー磁界の距離が近すぎると磁界同士が重なります。領域制限は、磁界をデジタル化して重なりを無くします。 ドアの内側と外側で異なるエリアIDの磁界を作ることで入退室を制御したり、片側のエリアを消滅させることもできます。
領域制限の応用(ヒヤリハンターの方向検知)
ヒヤリハンターのトリガー磁界を領域制限し、検知した作業員や車両の位置を識別して画面に表示。
- 重機にヒヤリハンターとタブレット端末を設置
- 重機の周囲(4方向)にトリガー磁界を出力
- 各作業員はICタグを持って作業場に入る
- 作業員がトリガー磁界に入るとICタグが反応し運転席で警報を鳴らす
- タブレット端末で検知位置や作業員の種類(熟練者/一般)を確認
実際に導入・運用されている事例です。マトリックスのLFトリガー技術だからこそ実現できた事例です。