ゲートで止まらない入退管理が、物流現場のムダを減らす
2026.02.18
国産セミアクティブRFIDメーカー、RFIDやIoT技術で現場の安全・効率化を実現
2026.02.18
ピーク時間帯、ゲート前にトラックが5台、6台と並んでいる。ドライバーは窓を開けてIDを提示し、確認が終わるまで停車。その間、後続車両はアイドリング状態で待つしかない——こうした光景に心当たりのある方は少なくないはずです。
本稿では、物流ゲートで確認のたびに止まるムダを減らすために、車両と人をまとめて確認する設計の考え方を紹介します。
vol.3では、入退ログを「共通基盤」にする考え方を整理しました。本稿ではもう少し現場に寄って、物流ゲートの通過動作そのものを見ていきます。
トラック待機、受付渋滞、フォークリフトの乗り降り。物流ゲートでは、これらが同時に発生しやすい構造があります。特に車両の確認と人の確認が別々に行われている現場では、滞留が目立ちます。
よくある場面を挙げてみます。
悪天候が加わると、視界不良と導線の混在でヒヤリハットのリスクも高まります。安全管理の観点でも放置できない問題です。
なぜゲート渋滞が起きるのか。根本にあるのは、確認のたびに「止まる・開ける・見せる」という手動操作が発生することです。車両ナンバーを確認し、次にドライバーのIDを確認し、それぞれ別のシステムに記録する。この二重チェックのたびに「停止→確認→再発進」が繰り返され、受付処理が滞ります。
vol.1で整理した「点呼が終わらない」問題と構造は同じです。個々の確認動作は合理的でも、それが積み重なることで全体の運用負荷が膨らんでいきます。
「どの方式を入れるか」の前に「自社のゲートで何が滞留しているか」の特定が先です。ここを飛ばすと、導入後に「思ったほど改善しなかった」という話になりやすいです。
vol.2でも触れましたが、方式の向き不向きは現場条件で変わります。削減量を「だいたいこのくらい」で語ると、稟議でも監査でも説明が苦しくなります。測定設計は導入前に固めるのがベストです。
車両と人を別々に確認する運用と、セットで確認する運用を、現場負荷と説明コストの両面で比較します。
| 観点 | 個別確認(車両と人が別) | セット運用(同時確認) |
|---|---|---|
| 受付処理 | 確認項目が重複し、手順が増えやすい | 確認を統合でき、手順を整理しやすい |
| 待機・渋滞 | 停止箇所が増えると滞留しやすい | 停止動作を減らしやすい |
| 悪天候対応 | 窓開閉を伴う手動確認が増える | ハンズフリーで手動操作を減らせる |
| 説明コスト | 稟議・監査・訓練の説明が分散する | 共通ログで説明を一本化しやすい |
注意したいのは、セット運用が万能ではないという点です。統合ルールの設計や通過導線の定義が甘いまま導入すると、かえって現場が混乱します。
システムを導入しただけで安心すると、運用が定着しないまま形骸化するケースがあります。vol.3で触れた「例外運用の不備によるログ欠落」と同じ構造です。
工事業者、来客、臨時応援——正規フローに乗らない車両や人の扱いを事前に決めていないと、肝心なときにログが抜けかねません。協力会社の運用が別管理のまま放置されていれば、データは分散したままになります。共通基盤にしたつもりが、穴だらけだったという事態は珍しくありません。
待機時間、受付処理時間、停止回数——これらの測定項目を曖昧なまま導入すると、改善効果の説明が担当者の肌感覚に依存します。「なんとなく速くなった気がする」では、社内稟議も監査での説明も苦しくなります。計測条件は導入前に定義し、改善前後で比較できる状態を作っておくことが重要です。ここが抜けると、せっかくの投資が「よく分からなかった」で終わります。
ここまでの内容を踏まえると、どのような現場でセミアクティブRFIDが有効かが見えてきます。
セミアクティブRFIDなら、車両と人をまとめて確認できるため、停止動作そのものを減らせます。
窓の開閉も接触操作も不要になるため、雨天や粉塵の多い環境でも処理時間のばらつきを抑えやすくなります。
タグの配布で入場者全体をカバーできるため、正社員だけログが残るという抜けを防げます。
vol.2で整理した「ハンズフリー」「汚れ・粉塵環境」の要件に、本稿のゲート運用の視点を重ねると、自社に合った方式を絞り込みやすくなります。
本稿のポイントは、以下の4点です。
次回は視点を変えて、医薬品製造・クリーンルームにおける「汚染管理(CCS)」の観点から、ハンズフリー入退室の設計を掘り下げます。
「止まらず通れること」が要件になる現場向けに、セミアクティブRFIDを使った
「安全対策型ハンズフリー入退管理」の仕組みをご紹介しています。